働き方の改革「東京モデル」事業

【 平成23年度下半期の取組への助言・評価 】

自社の働き方の改革に取り組む6社から、このたび東京モデルプロジェクト指定委員会へ平成23年
度下半期の進捗状況について報告がありました。報告及び質疑応答を経て、委員会より各プロジェ
クトについて下記のとおり評価と助言がありましたので、ご紹介いたします。

株式会社タカラトミー

こどもたちに夢を与えるおもちゃ会社の社員こそが、いきいきと働くために

◆玩具等の企画・製造・販売
◆プロジェクト名:東京モデル推進プロジェクト~WLBドリームプラン実現に向けて~

委員会からの助言・評価

 計画に沿って様々な施策を着実に進めている。WLB推進には企業トップの意識が非常に重要だが、役員向け研修を通じて経営陣のWLBに関する理解を深め、経営戦略としてプロジェクトに取り組んでいる。
 在宅勤務についてトライアル結果を多角的に分析し、システム・運用方法等の仕組を整え本格導入に至った点が高く評価できる。時短や業務効率化も強い意欲を持って進めている。労働時間については、効率化を進めた結果、日々の労働が極端に高密度化・多忙化しないよう配慮しながら引き続き進めてほしい。
 また、所定外労働時間、年次有給休暇の取得率、在宅勤務制度利用者数等、数値の検証をしながら取組を進めている点も、社内外に対して説得力があり、評価できる。
 24年度計画にも様々な新規施策を盛り込んでいるが、特に、リカちゃんの父親ピエールを中心にWLB推進活動を進める「ピエールプロジェクト」、業務効率化を促す「WLBバインダー」など、おもちゃ会社ならではの遊び心のある取組が興味深い。
 時間あたりの労働生産性の評価にも期待しているが、検討にあたっては、十分な制度設計と説明を行うよう配慮してほしい。また、介護責任を担う社員の増加を予想して介護に関する取組を始めている点は評価できるが、介護教室では介護の仕方そのものよりも、仕事と介護を両立するためのノウハウを伝えられるとよいだろう。女性社員のキャリア形成は、研修に加え、男性社員が管理職になるまでに積む職務経験を女性社員も積めるようにし、仕事を通じた能力開発を図ると、より促進されるだろう。
 3年間の中で特に効果があった取組を中心に、取組の前後で働き方がどう変化したかを検証しながら成果をまとめ、2013年以降の取組の発展につなげてほしい。

日本通運株式会社東京航空支店

社員一人ひとりのライフデザイン実現に向けて、
働き甲斐・充実感をもって働き続けられるよう、
会社がサポート

◆運輸業(自動車輸送、海上輸送、利用航空輸送等)
◆プロジェクト名:日通航空「ひとりひとりがライフデザインを実現できる企業へ」プロジェクト

委員会からの助言・評価

 強い意欲を持って幅広い取組を堅実に進めている。これまでの経営層や管理職層への意識啓発を通じ、社内にWLBが浸透したところで、フレックス制度やサテライトオフィス等の具体的な施策のトライアルを開始しており、各事業で具体的な前進が見られる。
 毎月、経営トップのビジョンを社内へ発信し、WLB推進における経営者の姿勢を明確に伝えている。また、充実した情報サイトにより社内の活動推進へ向けた広報を効果的に行っている点や、目標について実績を的確に検証している点も評価できる。
 24年度は、労働時間短縮効果のあるサテライトオフィスやフレックスタイム制度のトライアルの展開に期待している。取り組む際は、業務効率化を進めた結果、日々の労働が極端に高密度化・多忙化することのないよう、十分に配慮しながら進めてほしい。
 業務改革については、コンサルタントをうまく活用し、具体的行動を対外発信できるように成果をまとめてほしい。育児休業中社員へのシンクライアント端末の貸与も、今後の展開が興味深い。休業中のコミュニケーションに加え、在宅勤務等、女性の職場復帰やキャリアアップのための活用につなげてほしい。
 人々の生活を支える社会インフラとして長時間労働の傾向がある物流業界において、成果を上げ他社へ波及させていくため、3年間の中で特に効果があった施策を中心に、取組の前後で働き方がどのように変わったかを数値も用いて検証しながら、取組を進めてほしい。プロジェクト終了後も取組が継続されることを期待している。 

パシフィックコンサルタンツ株式会社

限られた時間に求められる成果を出すことにより、
メリハリのある豊かな生活と活力溢れる会社を実現する。

◆建設コンサルタント業
◆プロジェクト名:ワークライフバランス「888(トリプルエイト)プロジェクト」

委員会からの助言・評価

 集中ルームの開設、組織的に働き方を見直すグループプロジェクト、モバイル端末を利用した仕事の効率化、業界や発注者へのWLB推進に向けた働きかけ等、計画を着実に具現化しており、WLBが社内・社外に浸透してきている様子が窺える。
 社員へのワークモチベーション調査では、回収率が昨年に比べ大きく上昇した点が評価できる。結果を多面的に分析し、社員の要望を取組内容に活かしてほしい。また、年度末工期の分散化等について、業界内の各種会議やイベント、発注者への営業の機会などを通じて積極的な働きかけを行っており、着実に進めている点が評価できる。
 所定外労働時間の短縮や有休取得率の向上等の数値的な成果の面はやや弱く、震災の影響等で難しい面はあるが、実績を上げ経営的にもメリットがあると実証してほしい。ただし、取り組む際は、業務効率化を進めた結果、日々の労働が極端に高密度化・多忙化しないように配慮をお願いしたい。
 24年度は、テレビ会議システムや社内のイントラ環境拡充等に取り組む予定であり、成果を期待している。システム導入の前後で労働時間がどう変化したか等、数値的な効果検証を行いながら進めてほしい。また、システムを使える人・使いこなせない人の差が出ないよう、支援体制をしっかり固めることが大切。インフォーマルなコミュニケーションのための職場環境整備にも取り組む予定だが、インフォーマルな場がフォーマルとなり社員の負担が増えることのないよう配慮しながら進めてほしい。
 3年間の中で特に効果があった取組を中心に、取組の前後で働き方がどう変わったかを数値も交えて検証しながら、他社の参考となるよう成果をまとめてほしい。都のプロジェクトが終了した後も取組を継続できるよう、期待している。

株式会社アルビオン

多様な社員が働き続けられる環境づくりに向けて

◆化粧品の製造・販売等
◆プロジェクト名
 中規模事業所におけるWLB推進と、事業所内保育所を活用した待機児童削減プロジェクト

委員からの助言・評価

 WLB推進施策を丁寧に実施している。特に従業員の「働き方に関する意識調査」に取り組み、社員の意識向上を図った点が評価できる。こうした取組によりWLBが他人事では無いという意識が社内に醸成されたことがうかがえる。
 今後は同調査の結果を具体的取組に繋げていくと共に、今まで実施した取組の課題分析等を十分に行い、着実な事業展開が実施されていくことを期待する。特に、保育所の相互利用については、実現に向けた現状把握・課題分析を着実に行うことが必要であろう。
 今後本格稼動予定の在宅勤務については、制度化・ルール化を着実に実施することが期待される。また、プロジェクトの中にひとつ、女性社員の多くを占める店舗職員のための取組を加えてみても良いだろう。
 また、育休後の社員の定着率がさらに向上するよう、自社分析のみならず外部の事例等も参考にして、対応策を講じてはどうか。その結果、女性が非常に多く復職率が高いという同社の強みがさらに増す結果となることが期待される。事業計画については、規模のみならず着実な実現を主眼に置いた見直しを検討することが重要であろう。
 今まで取り組んできた取組の課題分析を行い、その結果を保育所の相互利用等含めた今後の取組に確実に生かし、進めていってほしい。 

NTTコミュニケーションズ株式会社

 先駆的なICTのノウハウを駆使して、自ら働き方を改革し、社会貢献を

◆電気通信事業等
◆プロジェクト名:働き方改革~“つなぐ”プロジェクト~

委員からの助言・評価

 委員会の助言も活かしながら、適宜プロジェクトを微修正し、効率的・効果的に取組を進めている。通信会社として、リモートワークの先進的な取組を大規模に進めていることは大いに評価でき、今後の成果に注目している。
 アンケートやヒアリングを基に社員の意識を詳細に分析し、きめこまかな取組を進めている点や、数値目標を定めて検証しながら取り組んでいる姿勢が評価できる。WLBに対する幹部の考えの発信も重要な取組。
 在宅勤務、リモートワーク、タッチダウンオフィス等について着実に実践しており、リモートワークを導入した営業組織では、1人あたりの月平均時間外労働が13%も削減される等、目に見える効果が出ている。介護責任を負う社員の増加に備え、仕事と介護の両立を進めるセミナーを開催している点も優れている。
 最終年度にあたり、2年間の成果報告に期待している。リモートワークやモバイルワークは社外の関心も高く、本プロジェクトの重要施策であるため、取組の分析・検討を進め、課題や改善策、今後の方向性等について詳細に報告してほしい。こうした取組を確立することと合わせ、もう一点何か御社らしい重点的取組を作るとよい。社員要望を取り入れた制度改善や女性の活躍にも期待している。女性が長く勤め、かつ活躍するには、男性社員が管理職になるまでに積む職務経験を女性社員も積めるようにし、仕事を通じた能力開発を図ることが大切である。
 都のプロジェクトが終了した後も事業を継続し、他社や他業界に成果が波及するよう期待している。 

株式会社バンダイナムコホールディングス

 バンダイナムコグループらしく、楽しみながら働き方の改革を

 ◆トイホビー事業・コンテンツ事業・アミューズメント施設事業等
 ◆プロジェクト名:~楽しみながら、楽しい未来へ。~The BANDAINAMCO Lifestyle Project

 

委員からの助言・評価

 社員の意見をしっかり聞きながら着実に取組を進めており、社員の意識も高まっている様子が窺える。また、業務効率化や子育て支援等への強い意欲が感じられる。
 会議運営や会議後の事務処理を円滑にするアジェンダシステム導入は、業務効率化のための有効な取組。ファシリテーションやタイムマネジメント研修も満足度が高く、今後の業務への反映が期待できる。キッズルームの休暇期オープンや学習サポートなど多様なメニュー設定は優れており、今後のさらなる活用を期待している。
 24年度計画の電話システム導入は先進的な取組であり、成果が上がることを期待している。導入にあたっては、多くの社員から意見を聴取し、また使える人と使いこなせない人の差が出ないよう、サポート体制を十分に整えてほしい。
 管理職労務管理研修は、生産性向上の中にも、「楽しみながら」というコンセプトを十分に取り入れ、御社らしさが出るとよいだろう。カルチャースクールでは、講師のインセンティブを明確にできると、他社も参考にして取り入れやすいと思われる。
 成果の数値的な把握の部分がやや弱いので、各種研修の成果、アジェンダシステム、タイムマネジメント研修、システム導入等で、働き方がどのように変わったか、数値的な効果も検証しながら、成果が見られるよう努めてほしい。
 アイディアが先進的。「楽しみながら楽しい未来へ」の実現に向かっていることを、他社の参考として紹介できるよう、特に効果のあった取組により、働き方が前後でどう変化したかも検証し、メリットやデメリットを発信してほしい。2012年までの取組がこの先も続くようにしてほしい。

 

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