労働問題相談室(労働相談Q&A)

5 規則や勤務先が変わりそう

Q35 就業規則が不利に変えられた

会社が新しい賃金規定を発表しましたが、全員が10%程度減収になってしまいます。会社の提案を受け入れなければならないでしょうか。

これが原則

  1. 就業規則は合理的な理由があれば変更できる。
  2. 就業規則を不利益に変更することは原則として許されず、特に賃金、退職金等の労働条件については高度の必要性に基づいた合理的な内容が求められる。

賃金規定は就業規則の一部になっています。賃金の引き下げは労働条件の不利益変更、一般的には就業規則の不利益変更としてとらえられています。就業規則を一方的に不利益に変更することは原則として許されません(労働契約法第9条)。
ただし、会社が労働者に変更後の就業規則を周知させ、その変更が合理的である場合には、就業規則の変更によって労働条件を変更することができます。
就業規則の変更に合理性があるかどうかは、

  1. 労働者が受ける不利益の程度
  2. 労働条件の変更の必要性
  3. 変更後の就業規則の内容の相当性
  4. 労働組合等との協議の状況

等に照らして判断します(労働契約法第10条)。

ここを確認

  1. 会社の財務内容がどの程度悪化しているか。
  2. 同業他社に比べて著しく賃金水準が低くならないか。
  3. 新規採用の抑制、役員報酬の削減、その他のコスト削減措置を行っているか。
  4. 労働時間の短縮など、代償措置があるか。
  5. 労働者代表との協議があるか。

会社の経営状況が苦しい場合、従業員の賃金を引き下げる前に新規採用を抑制したり、役員の報酬を削減することはもとより、諸々の経費を削減して初めて就業規則の不利益変更が有効になります。
また、賃金を削減することにより同業他社と比べても賃金水準が著しく低くなる場合は、不利益変更の有効性を判断する大きな要素となります。さらに、賃金の引き下げとは別に労働時間の短縮など他の労働条件で改善されるものがあるかどうかについても確認をします。
なお、会社と労働者代表(労働組合)との間で不利益変更を内容とする労使協定(労働協約)を締結して、就業規則を変更した場合は、不利益変更の合理性が認められる傾向にあります。

こんな対応

変更の必要性について十分な説明を求める。

就業規則の不利益変更の必要性について、労働組合又は労働者代表に対して説明をしてもらいます。同意できない場合は、賃金の減少幅を圧縮するなど会社側と話し合いを持つことが必要となります。
なお、就業規則の変更手続は、労働者代表の意見を聴くこと、労働基準監督署に届け出ること、労働者に明示することが必要になります。

労働相談Q&Aはあくまで一般的な内容のものです。
具体的な内容については、労働相談情報センターへ電話、来所してご相談ください。
なお、メールでのご相談には応じておりません。

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